難しくはないパニック障害に悩む人々の克服すべき一点を考察

「仲間がいて、僕がいる」「経験を重ねて、向上していこう」「自分に厳しく、他人に優しく」このような言葉を聞いて、実に健全でたのもしい気の持ちようであると感じないでしょうか。実際、社会の一線で、他の模範としてご活躍なさっている方々と、パニック障害の人物さんはほとんど同じ、高潔な理念を持っています。ただし微妙な違いが天国と地獄を分けます。「そういう自分になりたい、今は完全にできなくても」という『自分の目標』に対する、「そういう理想の状態のはずだ、彼も、あの人も」という『他人の義務』。

 パニック障害は、他の精神疾患に比べて現実に立脚した原因が多いのです。多忙を悪口と笑いでごまかす、職場で孤立し、多忙極まりない仲間を嘲弄する、ちょっと遅い、間違いの多い部下に罵声を浴びせる。集団は「仲間をスポイルして僕が生き延びる」「経験は手を抜くための世渡りの道具」「自分に優しく相手に厳しい」味をしめた人間の集まりですから、当然このような場面が多く、その都度不快には不快で応じる代わりに、呼吸困難や動悸に襲われるわけです。

 「家族に守られたい、理解されたい、抱きしめられたい、でも独りになりたい」「いつも見張られている。誰もかまってくれないがみんなが監視している」この手の堂々巡りの苦悩や妄想は『気分障害』『統合失調症』といった別種の精神疾患につきもので、より深刻です。パニック障害の方々が理想と現実の違いに苦しんでいるのとはまた別で、現実が非常に不正確に、心の中で空回りしているのです。ただしパニック障害の方々は、他人を誤認しています。あなたの周囲の多くの人間は不完全で、嘘とごまかしの中で青息吐息で日々を生き延びているのです。人を嘲り、何とか自分の下位に置こうとするのは必死の保身術に過ぎません。もっとはっきり言えば、彼らはパニック障害を今のところ何とかかわしているだけなのです。こういった悲しい現実を自然に受け止められるようになると、パニック障害は根本から治癒することでしょう。