パニック障害を理由とする休職、その他の手続きをとることの重要性

パニック障害による休職は、容易ではありません。まず、状況が最もよい公務員の事例を見てみます。

 大地震、及びその過剰な報道でパニック障害を引き起こし、数ヶ月間休職した教員がいますが、病名には県教育委員会に速やかに受理されるように、診断書に『うつ病』を付け加えてもらっていました。精神障害は最も遅れましたが、重大な疾病の一つであり、他の疾病と同じく発症、進行、治癒ないし固定が起こるものと捉えられるようになっています。福祉の世界でも最後になりましたが、知的障害や身体障害に続いて保護される制度が確立されました。しかし、この実例を見ても、まだまだ一般に浸透しきってはいないのです。また、原因が究明され、克服されない限り治癒困難であること、しかもその原因がおそらくは心の問題だけではなく外的要因に起因することがドラスティックに評価されており、東京都では精神疾患で休職した職員の当該年度の評価は最低のDです。管理職は休職の前後も含めて職場の環境と人間関係を改善すべきものと規定されていますが、この難題はなかなか解決できません。管理職にせよ他の優先課題が山積みなのです。

 公務員などの場合、休職制度は十分に確立されていますので休職中には代替職員が手配されますし周囲の理解もある程度あり、復帰は統計的に見ても容易です。ただ、気分障害と共に、パニック障害は職場の人間関係や仕事の進め方に原因がある場合も多く、この場合断続的に、数年間にわたり休職が繰り返されることとなります。こうなると、本来必ずあるはずの得意分野をアピールする機会も自ら閉ざし、職場への貢献度も落ち、周囲の評価も下がります。パニック障害の人物本人の思い過ごしではなく、次第に取り残されていく状況が厳然とあります。

 さて一般企業の場合はどうでしょうか。以上で述べた諸問題は、もっとずっと過酷にのしかかってくるでしょう。大企業というより多数の職員がいる職場であれば、休職後に刺激の少ない部署に配置することは可能でしょうが、その部署はおそらく削減の危険性が最も大きいでしょう。そして、個々が総合的に案件を回しているオフィスの場合……休職の許可は下りても、その後の席は極めておぼつかないのです。まず、上司には十分に相談しましょう。あなたにしか出来ない仕事があるはずです。あなたがつまずいたのは、仕事自体にではないはずです。よく、パニック障害の人は「一人暮らし」「自分探しの旅」を熱望するのですが、これは多くの場合底なしの転落を意味します。家族や職場仲間を最も求めているのは、人間関係のトラブルを恐れる彼ら自身なのです。休職、復職を現実のものとして勝ち取り、環境の変化を最小限にとどめる努力を払いましょう。