パニック障害は呼吸困難として現れ、さまざまな症状につながっていく

パニック障害の中で、呼吸困難の症状は良く起こるものです。パニック障害と気づいていない方、またパニック障害が認識されていない時代には、この症状を心臓疾患と結び付けて、診察の際に訴えてきました。呼吸困難は血液中の酸素の減少をもたらすために、速やかに心拍数が上昇し、この動悸が人物に最も強く認識されるからです。心臓外科の専門医は見立てが極めて正確ですので、長らく「神経性のもの」として診断され、ジギタリス、ナイトロなど不適切な心臓病用の薬を投与されることはありませんでした。また、実際の心臓病よりも心拍数が上がることを体感します。本当に急激に心拍数が上がるとのぼせて気絶してしまいますが、パニック障害の場合心の不安が大きいのです。

 めまいというのは本来、脳の重篤な疾患のあらわれでかなりの大病です。でも、この症状がパニック障害にも多いのです。呼吸困難が進むと動悸は激しくなるが、酸素不足に陥ります。これが、パニック障害の方の過度な自我とその揺らぎに合成されます。足下がグラつくように立つ瀬を失い、底なしの闇に落ちていく感覚。これまた、脳腫瘍などの「傾き、回転」感覚よりなお激しいめまい認識であるといえます。

 さて、パニック障害の方が呼吸困難を起こす原因ですが、障害のない人にも理解できないことではありません。人物と親しい人が、何らかの自己主張を執拗に繰り返して争う場面、困っている誰かをさらに追い込む言動を無神経に繰り返す場面、そして本人が呼吸困難や動悸を訴えたときに、「他の誰かが困るわけではないからどうでもいい。諦めろ」といった、自分の中で困難を抑え込み、解決するように強制される場面。一言で言うと「あいつは本当に人の心がないどうにもならんやつだ」と口に出し、また心の中でつぶやいて終わりになっている、社会生活で一日中無数に起きる、余裕のないもの同士の冷たく、無作法な関わり合いが多いのです。

 まず、姑息な解決法として、自分が耐えがたく醜い場面にであったら「見ざる、言わざる、聞かざる」を決め込むことです。凍った目がその場面に吸い寄せられ、動けなくなる方が多いのですが、これは一面では不正を見届け、断罪したい頑固な心の裏返しです。真正面に現実と立ち向かう意欲はあっても、今は到底力不足です。逃げることを覚えなければなりません。